奴隷制の記憶

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『奴隷制の記憶』表紙\

書籍名   : 奴隷制の記憶 サマセットへの里帰り
        (ドレイセイノキオク)
著者名   : D・S・レッドフォード(D・S・レッドフォード) 著
        樋口映美(ヒグチハユミ) 訳
発行日   : 2002-06-07
税込価格 : ¥2625
本体価格 : ¥2500
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★東京新聞、7/7、池田智
「アフリカ系米国人の愛と希望の祖先探し──これは、ひとりのアフリカ系アメリカ人女性が自らの過去を、その母方の祖先にまで辿るオデッセイである。なぜ母方なのか? 父親から白人の血をわずかに受け継ぐ著者が知りたかったことは、被差別者としての純然たるアフリカ系の過去だったのである。南部の生まれでありながらニューヨークの伯父・伯母のもとで育てられる間に、南部育ちの黒人は「最低のなかでも最低」だと白人はおろか黒人にまで評価されていることを知り、自らの過去に重い蓋をした。だが、32歳のとき13歳の娘に、「曾お祖父さんと曾\お祖母さんはどんな人だったの? どこから来たの? 奴隷だったの?」と質問され、その蓋を開けざるをえなくなった。娘の質問に真摯に答えるために、何の学位も持たない著者が、仕事の合間に十一年もの歳月をかけて国勢調査原本や郡役所に残されている書類などを丹念に調べ記録する努力には、母親の子どもに対する愛がいかに強いものかをあらためて知る思いがする。その努力の結果、七世代前の祖先がノースキャロライナ州サマセットのプランテーションにアフリカから連れてこられた奴隷であることを発見する。だが、単なるルーツ追求物語に終わってはいない。サマセットをサマセットたらしめたのは、奴隷を所有した白人ではなく、何百人もの黒人であったことを著者は認識し、その地へ自らと共通の過去をもつ人たちを里帰りさせるプロジェクトを進めるのである。サマセットヘ初めて足を踏み入れたとき、自らが集めた記録や文献よりももっと強く過去を実感し、里帰りをすることによってしか、それは知り得ないと確認したのである。その意味で、本書は、忘却の彼方にそっとしまっておこうとした秘密の場所を祖先が築き上げた文化的遺産と捉え、これを実感し、また共有することによって初めて「今を生きるための手応えある記念塔」にすることができるという信念を赤裸々に表\している」。

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