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★読売新聞、7/28、金森修
「人を驚かせる奇抜な装置や逸話があるわけではない。むしろ古典的題材を正統的に描ききったという感が強い。ときは十六世紀半ば、場所はスペインのある町。若干の商才に恵まれているが、どちらかといえば平凡な男サルセドが、妻の不幸な死、何人かの魅力的な新教信者との邂逅などを経て、より毅然とした人間に少しずつ自分を変えていく。まるで読者は、当時の平凡な旧教徒が新教の息吹に触れ、それまでの惰性的な宗教行為に違和感を感じ、徐々に新教に惹かれていくときの経験を追体験するかのような感慨に満たされる。…宗教改革当時の近代史の苦渋が、虚構\の光線を通して見事に浮き彫りになる重厚な大作である。」

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