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★「熊本日日新聞」 04/2.22 辻昭二郎
「フランスの映画史を調べるときに盲点があるのは、日本人の目を通した第二次大戦中の情報が少ないことである。これを補うために日経記者の『ナチ占領下のパリ』や朝日記者の『最後の特派員』などを参考にしてきたが、昨年暮れ読売記者による本書が出たおかげでその穴が一気にふさがった。サブタイトルの通り、戦前からパリに暮らしていた二人の日本人に焦点を絞って書かれている。(中略)あこがれのパリに襲いかかった戦争のはざまにほんろうされながらも、半世紀以上パリを愛し続けた関口(俊吾)と(加藤)菊枝。特に菊枝の目に映ったパリの姿と人々は、これまで伝わっていなかった現実が赤裸々につづられていて重い。貴重なその証言は現代史の一つの穴を埋めるものになるだろう。」
★「世界週報」04/2.10 駒木克彦
「著者は、わずか2カ月で崩壊するフランスにも「次の時代につながる人材が国内に少なからずいた」と指摘。戦後のフランスを戦勝国に並べる貢献を果たしたドゴールだけが英雄なのではなく、「ドゴールの決断の背後には何十人かの知恵の集積があったことを見落としてはならない」「国家の底力とはそういうものである」と語る。幾多の誤った決断を下したフランスも、次代につながる人材を残していたことは、結局「少なく誤った」ということになろう。筆者は讀賣新聞パリ支局長で、ベイルート、パリ、ワシントンの特派員を経験したベテラン記者。新聞記者による世界情勢を著した本は、自からの取材経験を基に執筆することが多いため、同時代的なものが大半で、現代性がある半面、かなりの資料価値がない限り、数年で陳腐な情報になってしまう恐れがある。本書は世界大戦間という外交史上極めて興味深い時代を軸にしており、時の経過に耐え得ることは間違いない。」
★「産経新聞」03.12.8
「戦前戦中、パリに留学していた二人の日本人の青春を通して、激動期における国家と人間のありようを考える。著者は読売新聞パリ支局長。1935年、画学生の関口俊吾はフランス政府給費留学生に選ばれ、翌年にはパリ高等美術学校に入学。ベルリン五輪で、間近にヒトラーの姿を目撃した。日米開戦前に帰国したが、戦後再びパリに渡り、2002年、かの地で没した。もう一人、加藤菊枝は1937年、フランス語習得のためにパリへやってきた私費留学生であった。戦時中もパリにとどまり、亡命ロシア貴族と結婚。フランス国籍を得て、今もパリに暮らしている。関口と加藤は違う環境で生きたが、戦時下の国際社会が運命の糸でつながっていたことの証言者である。

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