スペイン人
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| 書籍名 : スペイン人 16-19世紀の行動と心性 |
| (スペインジン) |
| 著者名 : バルトロメ・ベナサール(バルトロメ・ベナサール) 著 |
| 宮前安子(ミヤマエヤスコ) 訳 |
| 発行日 : 2003-07-16 |
| 税込価格 : ¥3150 |
| 本体価格 : ¥3000 |
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★東洋経済 11月15日 川成洋
スペイン近世史において、「陽の沈むことなき大帝国」が資本主義体制の萌芽を宿しながらも、これと逆行し、突破口なき長期低落に陥ったのは、何故であろうか。
本書によると、スペイン社会の近代化への桎梏となったカトリック信仰は、国家の統合原理として機能した16世紀の栄光にもかかわらず、実は、スペイン人を一体化させると同時に分裂もさせた。たとえば16世紀、社会に寄生し、暖衣飽食の生活を送る聖職者が反聖職至上主義を生み出していた。
国家の宗教護持のための異端審問制度も、当初は、コンベルソ(改宗ユダヤ教徒)とモリスコ(改宗イスラム教徒)への苛斂誅求の手段であったが、18世紀以降、時には自由主義者抑圧の制度と化すこともあった。
15世紀末のレコンキスタ(イスラム教徒に対する国土回復戦争)の勝利から17世紀までのスペイン人は、額に汗を流す労働を卑しみ、富、権力、名誉を希求した。こうした労働蔑視という欺瞞を糊塗するために十\字軍精神や神の摂理などが援用された。
つまり、観想的な生活を理想とする裕福なスペイン人にとって、労働は呪いや罪の宣告と同義語であった。また、救貧院の貧民には一般の労働者より、よい食事とベッドが与えられるので、富を求めて努力する代わりに有力者の慈善事業に甘えるだけで十分満足していた。そのため、「襤褸(ぼろ)をまとった乞食が増大した」のだった。折しも、プロテスタント諸国では、労働に対応するものが富であると次第に自覚されてきたのである。
さらに、歪んだ男女の愛、同性愛、身のほど知らずの名誉欲、暴力、死などが、スペイン人の精神構\\造を形成し、それらが歴史的発展の重大な阻害要因となったとの指摘も、まことに興味深い。
★ビジネス・サポート 6月号 川成洋のBookハンティング
「伝統的社会価値観からスペイン没落を描く大著──16世紀「陽の沈むことなき大帝国」の異名をほしいままにしたスペインが、資本主義の萌芽を宿しながらもこれに逆行し、突破口のない長期低迷を辿り、19世紀には三流の後進国としてピレネー山脈の南に逼塞するようになったのは、何故だろうか。本書は、その解答として、16世紀から19世紀にかけての、時間と空間の感じ方、頑迷固陋なカトリック信仰と異端審問裁判所、力や富への飽くなき希求、労働蔑視、祝祭、娯楽、男女の愛、同性愛、名誉観念、死生観などが、スペイン人の精神構造を形成し、それらが歴史的発展への重大な阻害要因となったことを指摘する」。
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