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★北海道新聞、3.13、織田淳太郎
「「人」を意味するロマ、その民族的総称としてロマニは、インド北部を起源とする単一民族とされているが、著者によると、西暦800年以降に西方への移動を開始して、1100年ごろヨーロッパに流れ着いたといとう。パーリア(社会ののけ者)としてのロマニの悲劇的歴史の第一歩は、ここから始まる。ギリシャ語から派生した異教徒を意味する別称や、エジプト人へのぶべつ感を込めた「ジプシー」という言葉が、いつしか彼らの統一的な呼称となった事実は、このことを雄弁に物語っている。十四世紀から十\\九世紀にかけてのルーマニアでは、「ジプシー奴隷制」を敷き、競り市などでの売買を公然と行った。ナチスドイツは、ロマニをユダヤ人同様「遺伝的に汚染された存在」と定義。50万人がホロコーストの犠牲になったとされているが、著者によるとこの数字は「あまりにも小さくて擁護できない」という。ジプシーの「流浪の民」という牧歌的なイメージは、非ジプシー側の一方的な視点によって植え付けられてきた。「盗みはジプシーの習性」とする観念もまた、同様である。ロマニ出身のロマニ解放運動家の手による本書は、彼らの実像を正確に伝えており、人間社会に深く沈殿する「適者生存主義」の愚劣さを容赦なくあぶり出している」
★共同通信配信、各地方紙
「今では「ロマ」と呼ばれることが多い民族の知られざる抑圧の歴史。自身がロマである言語学者が、差別が再生産される欧米の社会構造に分け入って、冷静に告発する。五世紀にわたって奴隷制下に置かれた歴史。ロマ版ホロコースト「ポライモス」。「ロマンチックな流浪の民」というイメージや「所有という言葉がない」など事実無根の言説─。こうした事象の背景にある、社会の外縁としての「他者」を必要とした差別側の論理を鋭く分析する」
★「東京新聞」「中日新聞」05.2.6
「アメリカ在住のロマニ=ジプシーである著者が、ロマニ迫害の歴史と差別の現実を、深い憤りを込めて告発する論考集。ルーマニアでは十九世紀半ばまで、五百年にもわたって奴隷にされ、ナチス・ドイツの収容所では五十\万人以上が処分されたという。その後も今に至るまで欧米での迫害は続く。彼らはどうしてこうした窮状に陥ったのかを、歴史的、社会心理学的に検討する」。

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