書籍名 : 井上井月記
(イノウエセイゲツキ)
著者名 : 中井 三好 著(ナカイ ミヨシ)
発行日 : 2007-07-18
税込価格 : ¥1575
本体価格 : ¥1500
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★『信濃毎日新聞』07.7.29
『漂泊の俳人井上井月記』(中井三好著、1500円+税、07.7.15) 「元高校長(国語教諭)で俳誌を主宰する著者が、芥川龍之介が「与謝蕪村以来の大発見」と喜んだという上伊那ゆかりの俳人、井上井月(一八二二-八七年)について書いた伝記風の小説。生涯をたどりながら残した句を分析し、井月の豊かな学殖を紹介している。 漂泊の俳人といわれる井月は、越後に生まれ、伊那谷を中心にしながら全国を旅したとされている。著者は「灰に書く西洋文字や榾明(ほたあか)り」の句などから、井月が佐久間象山からオランダ語を学んだとし、京の連歌師たちが使う特殊な「新在家文字」を用いていたことから、上方で俳諧を学んだと推測する。「それと見る魚かげもがな薄氷」の句では、願望の終助詞「もがな」を切れ字にし、「直(すぐ)なればこそのびつらめ今年竹」の句では「こそ…め」の係り結びを活用した井月。著者は井月が国文法に精通していたと強調し、「こうした味わい深い発句は、江戸の俳諧師たちには見当たらない」と記している。 小説には、龍之介や、井月に私淑した種田山頭火、全集を編集した医師の下島勲や伊那高等女学校教諭の高津才次郎ら、井月の文学保存に関わった人たちも登場しており、物語に奥行きを与えている。」(『信濃毎日新聞』07.7.29)