石原剛著『マーク・トウェインと日本』が第32回日本児童文学学会奨励賞を受賞しました。
2008年3月刊行の石原剛著『マーク・トウェインと日本——変貌するアメリカの象徴』が、児童文学・児童文化研究の発展に寄与した作品に与えられる第32回日本児童文学学会奨励賞(日本児童文学学会主催)を受賞しました。
表彰式は10月11日、愛知淑徳大学で開催された第47回の総会の席上で行われました。
なお同時に受賞したのは、石山幸弘著『紙芝居文化史』(萌文書林)と、加藤暁子著『日本の人形劇1867-2007』(法政大学出版局)の作品でした。
以下は受賞の理由です。
石原剛著『マーク・トウェインと日本——変貌するアメリカの象徴」』
【贈賞の理由】本書は、明治期から現代のアニメーションに至るまで、日本におけるトウェインの子ども向けの小説がどう受容され、文化変容をとげてきたかを丹念に追った労作である。その受容の変化は、日本の児童文学の変容を物語る流れでもあると同時に、日本における「アメリカたるもの」の象徴の変化の歴史でもあり、比較文学研究のひとつのあり方を示したともいえる。博士論文が基となっているため手堅い論証が基本にありつつ、日本での出版の意義を加味するための加筆も行われており、読み応えのある内容になっている。今後の活躍を期待したい気鋭の研究者といえよう。
【受賞者の略歴】1971年生。テキサス大学オースティン校アメリカ研究科博士課程修了(PhD.)。アメリカ文学・アメリカ文化専攻。現在、早稲田大学教育学部英語英文学科准教授。
NHK(10/15(水)22:00~)『その時歴史が動いた』で「神々のうた 大地にふたたび~アイヌ少女・知里幸恵(ちり・ゆきえ)の闘い」と題した特集が放映されました。
小社からは知里幸恵関連書籍で『知里幸恵 十九歳の遺言』、『銀のしずく「思いのまま」 知里幸恵の遺稿より』、『〈アイヌ学〉の誕生 金田一と知里』の以上3点が刊行されております。
番組を見て興味を持たれた方はぜひご注文ください!!
ルーシー事件を含む9人の準強姦致死罪などに問われ、東京地裁で無期懲役の判決を受けた織原城二被告が、『ルーシー事件 闇を食う人々』(2007年4月24日刊)について、著者松垣透と小社を相手取り、名誉毀損で2億円の損害賠償を求めていた上告審の判決が、奇しくも1年後の2008年4月24日、東京高裁民事24部(都築弘裁判長)で下され、控訴棄却を言い渡した。
織原被告側は高裁での控訴審では、一部の主張を撤回し、新たに名誉毀損部分を追加した。その内容は、単に法廷における証言や検察官の論告を摘示したものではなく、本件刑事事件(ルーシー事件)について記載したものであり、真実であることの立証の対象は、そうした内容の論告があったという事実ではなく、その内容であると主張した。しかし、東京高裁は、「一般読者の注意と読み方をもってしても、これらの記載は検察官がそのような内容の論告をしたという事実を摘示したものと認められるから、控訴人(織原被告)の主張は失当である」とした。
さらに、判決によると、著者の疑問や意見を書いた部分に関しても「被控訴人松垣がそれを真実であると信じるについて相当な理由があるというべきであるから、結局のところこの部分の記載によって不法行為が成立することはない」と、織原被告側の主張をまったく認めずに、一審の東京地裁での原判決は相当であり、控訴理由がないという棄却理由を説明している。
これにより、『ルーシー事件 闇を食う人々』に関しては、出版差し止め訴訟、名誉毀損訴訟の両方において、東京地裁、東京高裁での訴訟において、小社と著者松垣透の全面的な勝訴となり、織原被告側の主張はまったく受け入れられなかったということになった。今後については、織原被告側の最高裁への上告が可能だが、これまでまったく主張を認められていないことから、上告しても「棄却」ということになりそうだ。
4/3発売の『週刊文春』(4/10号)の「私の読書日記」で、立花隆さんが『インセスト』について大きく書いてくださいました。
『インセスト』のなかから、アナイス・ニン、ヘンリー・ミラー、ミラーの妻ジューンとの三角関係、そして実父とのインセストについて触れられたあと、アナイスは「淫猥さと文学性が同居する20世紀最高の日記文学者だと思う」と大絶賛の言葉で締めくくられています。
アナイス・ニンが生涯書き続けた日記。彼女の膨大な内面の告白を、【無削除版】でぜひお読みください。
▼『インセスト アナイス・ニンの愛の日記【無削除版】1932~1934』(杉崎和子編訳)/日記の詳細については、以下をご覧ください。
http://www.hanmoto.com/bd/ISBN978-4-7791-1317-8.html
青山ブックセンター本店(http://www.aoyamabc.co.jp/)にて、若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』(3月15日よりテアトル新宿ほか全国公開)公開記念、『連合赤軍とその時代』フェアが開催されております。
フェア特設台には、小社の『あさま山荘1972』『十六の墓標』『兵士たちの連合赤軍』『連合赤軍二七年目の証言』『語られざる連合赤軍』なども陳列していただたいております。
他の出版社の連赤関連書もいろいろと面白そうな本が並んでおります。
映画の公開が始まりましたが、まだまだ他の書店では行われていない、貴重でとても意義のあるフェアだと思いますので、みなさん、ぜひ青山ブックセンター本店に行ってこの目で確かめて(ついでに本も買って)みてください。
ついに実現。関係者の念願だった嶋清一さんの野球殿堂入りが2008年1月11日に正式に決まった。ほんとうに喜ばしい。
嶋さんは海草中学(現・向陽高校)のエースとして1939年の夏の甲子園大会に出場。全5試合を完封。うち準決勝・決勝の2試合連続ノーヒットノーランという偉業を達成。明治大学進学後、1943年、嶋さんは戦前最後の主将となるが、戦時のため東京六大学野球連盟は解散。学徒出陣で海軍に召集され、終戦までわずか5カ月の1945年3月29日、ベトナムの沖合を航行中、米・潜水艦の攻撃で不帰の人となった(享年24)。
「第48回野球殿堂特別表彰委員会」に駿台倶楽部(明治大学野球部OB会)が提出した申請文には、「戦争は若者の夢を奪います。命も奪います。平和の尊さを後世に語り継ぐためにも」という願いの一文が添えられた。
海草中学の優勝時のメンバーでただひとりご健在である古角俊郎さん(駿台倶楽部顧問)は、「嶋のことを甲子園でぜひ顕彰してほしい。そのときは甲子園になにがなんでも行く」と語る。
嶋さんはこれまで2年連続で殿堂入りを落選した。今年は3度目の正直。念願の殿堂入りとなった。野球殿堂ホールで通知書を受け取ったのは別府隆彦さん(明治大学野球部総監督)。別府さんは嶋さんが明大入学当時、明治中学に在籍、一緒に練習してもらった。「優しい先輩だった」という。
2008年夏、第90回記念大会でもある甲子園。その8月15日「終戦の日」に嶋さんを表彰しようという声もあがっている。(筆・河野和憲)
[註]嶋さんの詳細については、弊社刊行の決定版評伝(写真多数収載)、山本暢俊著『嶋清一 戦火に散った伝説の左腕』をぜひお読みください。
(流通対策協議会「ほんのひとこと」より転載:流通対策協議会副会長竹内淳夫名で執筆)
「良い年でありますように」、平素からあまり祈ることはないのだが、今年は神様にでもお縋りしたい心境だ。
振り返ってみれば、わが業界の指標は書くのも嫌気がさす数字ばかりである。長期低落傾向には歯止めがかからず、加速する返品率の上昇は、かつて流行った歌の“どうにもとまらない”状態である。返品対策は永遠の課題とはいえ、これまでの版元、取次、書店の責任のなすりあいでなく、知恵を出し合って“三方一両損”的な出口でも見つけないことには、ますます首を絞めることになるだろう。取次店の硬直化した?パターン配本のロスやその裏返しの単なる総量規制による減数行為、書店の“即返”後の注文発注やいわゆる“金融返品”、版元の“押し込み”や締め切り前の集中搬入など、いずれも自覚的に努力すれば解消可能なことではないだろうか。業界としての共通認識の確立を期待したい。
期待と言えば、前号の高須提案「古書併売にマーキングを」の“混入防止対策”。流対協は各取次店に申し入れをしたが、古書併売がこれからも増えるとすれば、信頼関係を維持するためにも早めにルールを作って置きたい。関係者の英断を期待するものである。
さて、私事でもあるが、出版の自由、表現の自由に関する「出版差し止め」と「高額の名誉毀損」裁判について少々——。
07年4月に出版した『ルーシー事件 闇を食う人びと』の被告人からの訴訟。名誉毀損の賠償額は著者と合わせて2億円というもので、零細版元にとっては目の玉が飛び出る額であった。最近の名誉毀損や損害賠償請求の裁判は、勝敗を度外視した嫌がらせともいうべき訴訟が多く、小零細版元やフリーのライターにとっては極めて大きな負担で、筆を折らざるを得ないほどのプレッシャーは、出版の自由を脅かすほどである。
小社の場合、勝訴は確信していたものの、勝っても弁護士費用が莫大になることが分かり、その余裕がないため、本人訴訟に踏み切った。「出版差し止め」仮処分の審尋4回、「名誉毀損」の公判5回の末、いずれも原告の請求棄却の判決を受けた(原告は控訴)。従って、小社は時間と労力を除けば、訴訟費用も含めて一銭もかからなかったという結果を得た。この件が、一般化出来るとは思わないが、民事裁判における本人訴訟が認められている限り、もし訴えられたら慌てて弁護士事務所に駆け込む前に、一度考えてみるのも良いかも知れない。
石油の値上がり、格差の拡大、値上げのラッシュとつづく08年初頭、消費の落ち込みは書籍にも及びそうだ。生き残りを賭けた出版活動を強いられるのは間違いないだろうが、「良い年」であって欲しい。みなさまの健康と健闘を祈ります。
2007年4月に出版した『ルーシー事件 闇を食う人びと』について、ルーシー事件を含む9
人の準強姦致死罪などに問われ、東京地裁で無期懲役の判決を受けた織原城二被告(ルーシー事件に関しては無罪)が、著者松垣透と小社を相手取り、名誉毀損で2億円の損害賠償を求めていた裁判の判決が、12月17日午後、東京地裁民事33部(石井忠雄裁判長)で言い渡され、原告である織原氏側の請求をいずれも棄却し、訴訟費用も原告の負担とした。
判決は、織原氏側の主張を全面的に認めない内容であった。
裁判は東京地方裁判所705法廷で7月2日、30日、9月3日、10月3日、10月29日の5回にわたって行われ、12月17日の判決日を迎えた。
判決では織原氏の主張について、織原氏が『ルーシー事件 闇を食う人びと』で名誉を毀損していると主張したそれぞれの記述について、「一般読者の通常の読み方をして、原告(織原氏)の社会的評価を低下させるものとは到底認めることができない」とした。さらに、一部の社会的評価を低下させる記載であると認められる部分に関しても「民事上の不法行為たる名誉毀損については、その行為が公共の利害に関する事実に係り、その目的が専ら公益を図るものである場合には、摘示された事実がその重要な部分において真実であることの証明があれば、同行為には違法性がなく、また、真実であることの証明がなくても、行為者がそれを真実と信ずるについて相当の理由があるときは、同行為には故意又は過失がなく、不法行為は成立しないものと解するのが相当である」としている。
判決では、「客観的に見て公共の利害に関するものであると認めることができる」「一般読者に対して本件刑事裁判の状況を知らしめるという、専ら公益を図る目的で本件書籍を発行したものと認めることができる」「重要部分は真実であると認めることができる」とした。さらに、「その重要な部分において真実であることの証明がされたものであるから、違法性が阻却され、被告らによる原告に対する不法行為は成立しない」と、結論付けた。
損害賠償額が2億円という巨額の金額についても「損害額について判断するまでもなく、原告(織原氏)の請求は、いずれも理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用して、主文の通り判決する」とした。織原氏側のこれまでの主張はまったく受け入れらなかった。
今後、織原氏は控訴してくることも予想されるが、これまでの「出版差し止め訴訟(出版物領布禁止等仮処分命令申立)」でも、東京地裁で訴えが却下(7月3日)、東京高裁でも抗告が棄却(8月22日)されており、これで著者と小社の主張が全面的に通ったことになる。
2007年12月1日、和歌山市内にある東急インにて、山本暢俊氏の著書『嶋清一』の出版記念会があった。
新聞各社は朝日、読売、毎日、テレビ局は読売テレビの取材が入り、予想をはるかにしのぐ盛大なパーティであった。
参会した諸兄姉は和歌山県知事、市長をはじめ重責を担う方々ばかり。また嶋さんの母校である海草中学(現・向陽高校)OB、明治大学野球部OB、そして著者・山本氏とわたくし(河野)の母校である桐蔭高校(旧・和歌山中学)のOB等、和歌山の財界で活躍されているみなさん、総勢約100名を超える顔ぶれ。
とりわけ、1939年の夏の甲子園での優勝メンバーで親友、嶋さんを語るにはこの人をおいてほかにない、ただ一人ご健在の古角俊郎氏も元気な姿を見せていた。
会は著者の父・山本和男氏の祝賀の詩吟から始まり、知事、市長、教育長、そして県の高野連会長の祝辞と進められた。何十年ぶりの再会に旧交をあたためていたテーブルもあった。
小生などは野球部中途退部のため諸先輩を前に末席で小さくなっていたのだが、1986年の夏の甲子園出場の同期メンバーに会ったり、また当時の桐蔭高校野球部部長で現在は桐蔭高校校長・小川敬文先生に21年ぶりにお会いして、かつてを思い出し汗顔の至りであった。
あとは年明け2008年1月9日の「野球殿堂」入りの発表が待ち遠しい。
古角さんは「三度目の正直で来年こそ嶋の殿堂入りや。それが実現すればなにも思い残すことはない」と参会した方々を見送りながら熱い想いを語っていた。[筆・河野和憲]
テーマ:『生きること死ぬこと…』
早見慶子(元ブント活動家) × 木村三浩(一水会代表) × 鈴木邦男(一水会顧問)
80年代バブルの時代。セレブなお嬢様にならず、なぜかゲリラの激しい過激派で活動していた早見慶子の『I LOVE 過激派』(彩流社)刊行を記念するトークセッション。新左翼出身の早見慶子と、新右翼の代表的存在である鈴木邦男、木村三浩が、転換期の日本人の生き方を考える。
■2007年11月20日(火)18:30~
会場:ジュンク堂書店 新宿店8F喫茶
http://www.junkudo.co.jp/top-shinjyuku-event.html
入場料:1000円(1ドリンク付き) 定員40名
■お申込:ジュンク堂書店新宿店7Fカウンター
お電話(03-5363-1300)でもご予約を承ります。