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新年おめでとうございます。今年は良い年でありますように。

(流通対策協議会「ほんのひとこと」より転載:流通対策協議会副会長竹内淳夫名で執筆)
「良い年でありますように」、平素からあまり祈ることはないのだが、今年は神様にでもお縋りしたい心境だ。
 振り返ってみれば、わが業界の指標は書くのも嫌気がさす数字ばかりである。長期低落傾向には歯止めがかからず、加速する返品率の上昇は、かつて流行った歌の“どうにもとまらない”状態である。返品対策は永遠の課題とはいえ、これまでの版元、取次、書店の責任のなすりあいでなく、知恵を出し合って“三方一両損”的な出口でも見つけないことには、ますます首を絞めることになるだろう。取次店の硬直化した?パターン配本のロスやその裏返しの単なる総量規制による減数行為、書店の“即返”後の注文発注やいわゆる“金融返品”、版元の“押し込み”や締め切り前の集中搬入など、いずれも自覚的に努力すれば解消可能なことではないだろうか。業界としての共通認識の確立を期待したい。
 期待と言えば、前号の高須提案「古書併売にマーキングを」の“混入防止対策”。流対協は各取次店に申し入れをしたが、古書併売がこれからも増えるとすれば、信頼関係を維持するためにも早めにルールを作って置きたい。関係者の英断を期待するものである。
 さて、私事でもあるが、出版の自由、表現の自由に関する「出版差し止め」と「高額の名誉毀損」裁判について少々——。
07年4月に出版した『ルーシー事件 闇を食う人びと』の被告人からの訴訟。名誉毀損の賠償額は著者と合わせて2億円というもので、零細版元にとっては目の玉が飛び出る額であった。最近の名誉毀損や損害賠償請求の裁判は、勝敗を度外視した嫌がらせともいうべき訴訟が多く、小零細版元やフリーのライターにとっては極めて大きな負担で、筆を折らざるを得ないほどのプレッシャーは、出版の自由を脅かすほどである。
 小社の場合、勝訴は確信していたものの、勝っても弁護士費用が莫大になることが分かり、その余裕がないため、本人訴訟に踏み切った。「出版差し止め」仮処分の審尋4回、「名誉毀損」の公判5回の末、いずれも原告の請求棄却の判決を受けた(原告は控訴)。従って、小社は時間と労力を除けば、訴訟費用も含めて一銭もかからなかったという結果を得た。この件が、一般化出来るとは思わないが、民事裁判における本人訴訟が認められている限り、もし訴えられたら慌てて弁護士事務所に駆け込む前に、一度考えてみるのも良いかも知れない。
 石油の値上がり、格差の拡大、値上げのラッシュとつづく08年初頭、消費の落ち込みは書籍にも及びそうだ。生き残りを賭けた出版活動を強いられるのは間違いないだろうが、「良い年」であって欲しい。みなさまの健康と健闘を祈ります。

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